るくさんのページ

OLは よめに しんかした!


草むしりと、元気なおばあちゃんと、懺悔.

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記事とは関係のないうちのいっぬ

梅雨の晴れ間、暑い日差しが降り注ぐ中、私は家の外に立っていた。

 

ジリジリと照り付ける太陽は、容赦がない。

 

帽子に長袖長ズボン、手袋に、ハサミとゴミ袋。

 

そう、雑草取りの格好である。

 

 

実は昨年、お引越しをした。一軒家を購入したのだ。

名義は夫なので実際は夫が買った、私はそこに住まわせてもらっている主婦ということになる。子どもが一人生まれ、2LDKのお部屋が狭くなったのだ。おかげさまで、広くきれいで快適、そして落ち着いた場所にお家を構えることができた。

 

もしかしたら「あれ?るくさんって転勤族じゃなかった?」とお気づきの人もいるかもしれない(たぶんいない)。実は昨年、夫が部署異動になり、転勤のないところに配属になったのだ。それにより家を買うことを決めたわけなんだけど、それにより、夫がお仕事病み病みでメンタルがやばいという話はまた今度書くとする。

 

 

それで、なぜ一軒家の話になったかというと、一軒家になるとつきまとうものがある。それは、庭である。庭と言うか、家の前と言うか、家の横?まわり?というか、なんか土というか、草を植えるスペースがつきまとう。

ガーデンニングが好きな人はうれぴーって感じなのだと思うけれど、日差しと虫が大嫌いな私は「お花は好きだけど、水やり面倒だしガーデニング向いてない」という感じである。

 

しかし無慈悲にも、建築業者が好意で植栽を植えていった。シンボルツリーやいい感じの草。お家がいい感じに見えるので、ありがたいような気もする。けれど、引き渡しからお引越しするまで数週間空いてしまったため、シンボルツリーはただの枯れ木に、草は異常に元気でボーボーに生い茂っている。

さっきから「草」呼ばわりしているけれど、詳しい人からしたらそれいい木だよね~って感じなのか?な?私にかかると、雑草も芝生も可愛いお花が咲く草も、すべて、「草」というジャンルでくくられてしまう。

 

ということで、なんやかんや書いてしまったけど、草はできるだけ枯れないように毎日水やりをしているし、「この家雑草だらけで草」とか言われたら悲しいので、休日でかつ夫が家におり、娘が寝ているタイミングを見計らってなんとか外に出たのであった。

 

それで、とりあえず雑草を抜いていくけれど、すごい力強いよね。抜くのも一苦労。

 

そして、苦手な「虫」もいらっしゃる。

なんかわかんないけど力尽きて行き倒れている方や、クモ、バッタ、そして、カマキリなど。いちいち心臓に悪い。バッタは葉っぱを食べてしまうのでできたらやっつけ(ごめんよ)、クモやカマキリは他の虫を食べてくれそうなのでそのままにしておく。クモの巣は転がってる枝などで、がんばってとる。

 

そうこうしていると、「こんにちは」と一人のおばあちゃんが近づいてきた。ご近所さんだ。

80歳にもなるというおばあちゃんは、めちゃくちゃ元気で、草むしりで必死になっている私にお構いなく色々話しかけてくる。ここの土地はいいで~、人づきあいは人を選んだ方がいい、この家は○○○○万くらい?だの容赦ない。適当に相槌をうつ。

ご近所さんなのでできるだけ笑顔で対応する。私はただ、草むしりをしたかっただけなのに、手が止まっている。ああ、暑い。

 

しばらくすると、「あら、こんにちはあ~」とおばあちゃんBが現れた。

世間話が始まったので、とりあえず様子をうかがう。

 

そして人の家のレンガブロックの上に腰かけて井戸端会議が始まった。〇〇さんに〇〇を借りたんだけど、どうのこうの、あの人ひどいのよ、とか、すごい、元気ダナー。

 

ということで、私は雑草取りに戻った。

しばらくすると、私が剪定していた草をほしいというので、あげた。捨てようと思ってたし、全然OK。元気ダナー。

 

そしてこのタイミングで、ふと、おばあちゃんの髪を見ると、なにかついている。

ふわふわパーマがかかった、上品な髪に、なにか・・・?

 

 

カマキリだ。ちっこい、カマキリだ。

え?そんなことある??

髪に?カマキリ?え???

 

私は混乱した。おばあちゃんに話しかけようとした瞬間、「暑いですね~」と犬を連れたおじさんが現れた。3人の会話がスタートしてしまった。私は、完全に、声をかけるタイミングを失ってしまった。

 

 

なんだかんだで最後まで私は、「髪にカマキリがついてますよ」と言うことができなかった。伝えられなくて申し訳ない、といった罪悪感が生まれた。

 

それと同時に、不思議と勇気が生まれたことに気がついた。

足元にカマキリがいるだけで怖いと思っていたけど、顔の横にカマキリがいても平気なおばあちゃんがいる。すごい、と思った。それなら私は、そんなにカマキリを怖がる必要がないのかな、と思った。

 

 

 

というわけで、ばあちゃんに伝えられなかったこの気持ちを供養するためにこの記事を書きました。懺悔。

それでは、またにー☆