「日曜日、ゴルフだ」
金曜日の夜に突然夫に言われた。
いつもだったら、いついつに誰々とゴルフ行きたいんだけど…お願いします…みたいな感じで言ってくるんだけど、忙しくて忘れてたみたい。
私はいつも夫の遊びの予定は、基本的にOKする。というか、NOと言うことはない。OKするけど文句は言わせてもらう、そういうスタンスでいる。
本当は「いいよいいよ〜いってらっしゃい」って気持ちよく送り出してあげたい。そんないい妻でいたい。そう思っているけれど、ワンオペ育児で余裕のない私からすると夫だけが遊びに行くというのはあまりいい気持ちではないので、自分の心に嘘をつくことはできない。ということでこのスタンスでいさせてもらっている。
でもまあ仕事で忙しい夫の気分転換になるか、とか、家にいてもどうせずっと寝てるかスマホいじいじしているかだし、などと自分言い聞かせつつ、「パパ遊びに行くんだってえ」などと嫌味をちくちく言いながら送り出した。ごめんちょ。
私の休みはいつあるのか、そんなものないのか、などと思いながら洗濯物を干しつつ、娘をみていた。夫はなんでこうなったんだ、でも仕事が大変だから仕方がない、などとついついくよくよ考えてしまう。そんな自分に嫌気がさした。
すると突然、こんなことでくよくよしていてもなんだし、なんかいつもと違うことをしてみようと思った。そうだ…久しぶりに親を召喚しよう、という考えが浮かんだ。
両親とはコロナが流行りだしてから会うのを控えていた。でも、結局妹とか県外に住む叔母とかも会っているようだし、もういいかなと思い急に連絡した。
突然の連絡だったのにもかかわらず、両親はいいよ〜ってお寿司とかケーキとかその他にも絵本とか色々大量に持って、すぐにお家に来てくれた。
実は、娘が生まれてから私はガルガル期がひどくて、あまり人と会いたくない病にかかっていて、それは両親も例外ではなかった。でも最近ちょっとずつガルガルが緩和してきたので、大丈夫かなって不安になりつつも両親と会ったけど、思ったより大丈夫だった。
母は持ってきた手提げをキッチンに置いて、冷凍のものは冷凍庫に入れとくね〜とかいって色々しまってくれた。ややお節介であるがとてもありがたくもある。
娘も思ったより人見知りせずにじいじばあばと遊び、犬も最初はアホほど吠えてたけどすぐに甘えて撫でられていた。
色々話をしながらお昼のお寿司を食べた後、キッチンに置いてあった手提げの中をみる。ありがとうね〜とお礼をいいつつ確認すると、森永のチョコチップクッキーとマリーが入っていた。
「エスパーじゃん、これ食べたいと思ってたんだよね。夫に頼むといつも…」と言った途端、続きの言葉が出てこなかった。
正確には、話すことができなかった。
夫は、これ買ってきてね、と頼んだものを買ってこれないことがよくあった。野菜とかは大丈夫だけど、マフィンを頼んだときは、「なかったから」と夫が好きなマーガリン入りのレーズンパンを笑顔で差し出した。夫はこんな人である。
チョコチップクッキーを頼んだときは、チョコっぽいものが入った個包装でないクッキーを買ってきた。ああ、森永の個包装のやつって頼まなかった自分が悪かったな、と思って説明して自分で買ってみせ食べさせて、ああこれねってなったのに、次頼んだときは「これ美味しそうだったから」とアーモンドクッキーを買ってきた。それも美味しそうだったからありがとうと言ったけど、違う、本当はそれじゃなくてチョコチップクッキーって書いといたじゃん、と夫には後ほど抗議した。
一方、母とは付き合いが長いことあって、何も言わなくても食べたいものを用意してくれることがよくあった。実家にいたときは、ハンバーグ食べたいなと思ってたら夕飯に出たとかはしょっちゅうあったし、結婚してからも伝えてないのに食べたいと思っていた煎餅持ってきてくれたりってことがたくさんあった。さすが娘のこと、よくわかっている。
こんなことがクッキーを見た一瞬で頭を駆け巡って、泣きそうになってしまった。
なんでこんなことで泣きそうになったのか実は私はよくわかっていない。それをここに書いたらなんかわかるかなって思って書いたんだけどいまいちピンときてない。
夫が仕事でいっぱいいっぱいなのは仕方がないし頑張ろうとしてるから応援したい気持ちもあるけど、なんかワンオペで家のことほとんどぜんぶやってるのどこか納得してない部分があって、なんかつかれたな、みたいな感じなのかな。わかんないけど。
とにかくいま自分がなんかつらいって思っていたんだなってことがよくわかった。
母は、私の言葉を聞いて、「頼んだやつ買ってこれない？うちもそうだよ」と笑っていた。
そのまま話していると、いまはどこも大変で、みんななんだかんだ大変そうだよ、みたいな感じで話は進んでいった。両親の子育てのときもどんな感じだったとか、離婚の危機はあったとか、いろいろ聞けたのでよかった。
とにかく、今日はなんだかんだ気分転換になってよかった。父は最後に「まあ二人仲良くな」みたいなことを言って帰っていった。
それができたらいちばんいいかもしれないけど、未来のことはわからない。それでもできることをちょっとずつ頑張ってこうと思った。
最近湿っぽい話が続いてごめんちょ、それではまた。
